東京高等裁判所 昭和28年(ツ)54号 判決
上告人 古茶福治
被上告人 杉本美代
〔抄 録〕
本件記録を調査するに、原審において、上告人が申請した証人佐藤嘉則、斎藤雅と被上告人が書面によつて申請した証人渋木豊太郎については、上告人主張のように、取調べるともしないとも明にされないままに終結せられたことを認めることができる。しかしながら、原審の最終の口頭弁論期日であつた昭和二十八年七月十日午前十時の調書によれば、当事者双方の代理人は、右のように裁判所が証人の採否を明にしないで口頭弁論を終結したことについて、なんの異議をも申立てていないことが、明である。そうであるから、当事者双方代理人はそれぞれその申請の証人を抛棄したのか、或は少くとも、裁判所が暗黙に右各証人申請を取調べない旨の決定をなし、双方の代理人もこれに対し別段の異議を述べなかつたと解するを相当とする。そうであるから、この点に関する原審の処置はなんの違法の点はなく、上告理由も理由がないといわなければならない。